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君に熱視線゚
第45章 恋の片道切符
♪〜‥
ん‥? 苗…
不意に鳴り出したメール着信音‥
晴樹は携帯を手にしてメールを開く‥
兄さん商品券ありがとう!
ところで兄さん。
苗はこの間、見そびれた映画が見たいんだょっ
今度の土曜日も忙しいだかね?
「・・・・」
晴樹はベッドに横になったまま、開いた携帯を胸の上に伏せ考える‥
「‥映画‥か‥」
そしてボソッと呟いた…
日曜の昼には日本を発つ。そう、今度の日曜は水泳の都大会が行われる日でもあった‥
もう、会わない。‥そう決めたのに決心が揺るぐ…
せっかくの苗からの誘い‥
「‥俺を哀れんだ神様からの最後のプレゼントだったりしてな…」
晴樹はふっと声を洩らした。
「苗、準備はできたの?」
「うん‥これでいい?」
夕刻迫る午後…
鏡の前にいる苗の様子を咲子は覗く。
「あら、ちょうどよかったじゃない!
靴は玄関に出してあるわよ」
前の日に病院から生まれたばかりの次女を連れて帰ってきた母。咲子は出かける準備をする苗に様子を伺っていた…
『土曜日に晴樹クンと?‥』
『うん、映画見に行く。』