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君に熱視線゚
第45章 恋の片道切符
普通の夜景しか写らない望遠を覗き晴樹は訴える。
「あれ、見えない?ちょっと待って‥」
──!?っ‥
「なっ──‥//」
苗は晴樹の肩を捕まえると顔を割込ませ強引に望遠を覗き込む──
密着してくる苗のふっくらとした頬を肌で感じ晴樹は一気に顔の熱を上げていた。
「苗っ!
無理だって二人で覗くのは!!‥//」
がっつり掴まれた肩に焦りながら晴樹は声をあげる
「直ぐ見つかるって!
あ、ほらっ!」
「‥‥!?」
望遠の焦点が目標物を捉えると、苗は安心して晴樹を解放した。
「‥ね!」
「!‥
ああ‥あったな…」
晴樹は望遠を覗き呟くように返事をかえした。
ネオンに主役を奪われた星の少ない東京の夜空‥
その中を一隻の飛行船が華やかな明かりを纏い、優雅に泳ぐ姿が映し出される…
「なんの飛行船だかね?」
「多分、結婚式の二次会‥
うちのホテルの飛行船だ」
晴樹は説明しながら望遠を再び苗に譲った
「へぇ…結婚式の二次会で飛行船かぁ、豪勢だね」
望遠を覗きながら晴樹の話に苗は答える