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君に熱視線゚
第46章 恋の片道切符二枚組
胸は熱すぎて冷静さを保てない
もどかしく疼く想いがどう呼吸を整えようとしても晴樹の声を震わせる…
「苗‥
俺だって‥っ‥
‥嫌なんだよ‥//」
「───えっ?‥」
自分の言葉を理解できずに見つめてくる苗の顔を晴樹は見ることができない──
シートに深く身を預け、晴樹は苗とは反対側に顔を背け繰り返し呟く
「俺だって‥っ
苗が他のヤツと一緒に居るのはッ──‥
見たくないんだよ…っ」
顔から蒸気がでる──
相変わらず苗はぽけっとした顔で晴樹を見つめたまま‥
晴樹はそんな苗に咳を切るように想いを吐き出した
「苗が──…
苗が‥夏目と一緒にいるのだって耐えられないしッ
俺から離れて行くことだって‥っ‥‥」
‥‥兄さん?‥
想いを口にしながら今までの出来事が晴樹の脳裏をよぎる‥
夏目と付き合い始めた苗‥
ヤクザに拐われもう二度とあの笑顔に会えない‥
そう思った時の悲痛な想い‥
片時も離れて居たくなくて苗の後を遠い田舎まで追いかけたこともあった…
「苗…」
暗い車内。ぽかんとした表情で見つめている苗を晴樹は見つめ返す…