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君に熱視線゚
第46章 恋の片道切符二枚組
‥ハゥっ…く、苦しッ…
「兄さん待って!!」
苗は力を込めて抱きしめている晴樹を押し退けた。
「──っ…!?…」
「す……すきって…//」
突き放そうとする苗の腕に手を伸ばし、晴樹は聞き返す苗を切なそうに見つめる。
突き放された、たった30センチの距離さえももどかしい…
「苗だって…
…嫌なんだろ?」
「──…」
「俺が他の女と一緒にいると………
嫌だってさっき言ったよな?」
面食らった表情の苗を前にして、晴樹は自分の問いかけた言葉に不安を覚えた‥
もしかして俺の早とちり…か?
──……っ
まさか、本気で兄貴を捕られそうで嫌だったって……だけ…じゃ……
男として意識したんじゃなくまったくのブラコンの気持ちだったんじゃ?イマイチ反応の悪い苗を前に、晴樹の頭の中ではそんな考えが渦を巻く。
「苗…っ」
晴樹は苗に不安気な顔を向けていた…
もし、完全な俺の勘違いだったら茶番もいいとこだ!
‥それはかなり恥ずかしい
恥ずかし過ぎてもう二度と──
苗とは向き合えない気がする…
「なえ……」
晴樹は不安に押し潰されそうになりながら苗を見つめた…