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君に熱視線゚
第46章 恋の片道切符二枚組
赤い顔をして涙をポロポロ溢す苗…
ずっと望んでた言葉。
それを惜し気もなく連続投球してくる。
相変わらず酷い泣き顔。
でもすごく可愛い…
歪む小さな唇で好きだと繰り返す苗…
晴樹は胸が熱くて…
息が苦しくて…
嬉しくて我慢できなかった……
「…っ……なえ」
苗の泣き顔につられ晴樹の表情も一気に崩れる。
ずっと…抑えてきた…。
想っても妬いても気づいてくれない苗に苛立ち何度となく泣けた日々…。
苦しくて息ができず、むせびながら声を殺し続けたのだって昨日、今日だけのことじゃない…
今だって同じくらい胸が苦しい…
溢れる想いに息がつまるっ
ただ、あの時の辛さとは全然違う。
痛くて苦しいだけだった胸の痛み。今は熱くて心地いい甘い疼きだけを与えてくれる…
「なえ…っ
‥なえ──っ…」
晴樹はなんの戸惑いもなく、苗の唇を塞いでいた…
強引でいて、優しく包み込む晴樹の手。苗はその手に素直に頭を預ける…
泣きながらのキスに苦しさを覚え急に息が荒ぐ。
晴樹の胸元を掴んだままの苗の手から力が抜け、晴樹はやっと自由になった…