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君に熱視線゚
第47章 。*゚。゚INニューヨーク゚。*゚。
メインストリートを歩きながら、大きなプレゼントを抱えた金髪の女の子とすれ違う。両親に手を牽かれ和やかなムードを纏い、その家族連れは家路を急いでるようだった…
「いいな…今から家族でパーティーか…」
晴樹は独り言を呟き携帯を眺めた。
…冬休みだから遅くまで起きてるかも…
指が勝手にボタンをクリックする…
明るい家族連れを見ているとあの賑やかな田中家を思い出す。
会いたい…
…会いたい…っ
苗、…少しでいいから…
通信音にのせて願いを掛ける
プップップッ…
《この携帯は電源が…》
「──…っ」
通信音のすぐ後に音声が流れそう告げる。
電源切って寝てんのか?…嫌なヤツだな
もしかしたら苗も自分からの連絡を待ってるかも…。
そんな淡い期待は脆くも崩れ去る
あんなに好きだと言って泣いた苗の気持ちをつい疑ってしまう。
離れてなお、苗への想いが強まる自分だけが置いてけぼりをくらったみたいに思え晴樹は唇を噛み締めた…
「っ…
マジで泣きてぇ…」
帰り道、晴樹は路上で突然しゃがみ込む
滲み掛けた涙を手のひらで強引に押さえ、しゃがんだまま晴樹は遠くを見つめた…