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君に熱視線゚
第47章 。*゚。゚INニューヨーク゚。*゚。
情けない。でもしょうがない…
会いたいものは会いたいし
もう我慢の限界でもあった…
無理にでも連れてくればよかったっ…
我が侭な思いが溢れる
…ちくしょ見てんじゃねえ!!
道行く人がすれ違い様にしゃがみ込んだ晴樹を振り返る
晴樹はゆっくりと腰を上げ建物に寄り掛った。
さっきから携帯が点滅している…
でも晴樹は携帯に出る気はない。
リディの名前を確認した瞬間、晴樹は携帯をスーツの内ポケットにしまっていた。
リディからなら大体どんな内容かわかる。どうせ、またフレンドに紹介だとかXmasパーティーするとかだろ
こんなトコに来てまでリディに振り回されてたまるかっ…
一番待ってる人からの連絡は一向に来ないのに…
苗とすれ違う度に切なくなる…
「兄さー…」
ほらな…幻聴まで聞こえてきた…
マジでやばいわ、俺。
「兄さーんっ…」
本気でやばい…
幻聴がはっきり響く晴樹の耳…
うつ向いた顔を上げ瞼を何度となく瞬く晴樹の瞳は、その幻聴の主の幻影を捉える
「──…っ…な、…んでっ…」
…うそだろ!?
晴樹は人混みの向こうから走ってくる影に驚き息を飲んでいた