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君に熱視線゚
第50章 番外編
「苗…」
「ん?」
「あいつ…うちの学園に入るのか…」
「そみたいだね…」
そみたい…って…
「お前知ってるなら言えよ!!」
―――え!?
何故に怒り出したか分からない晴樹の剣幕に、苗は思いっきり、たじろいでいた。
「だ、だって、わざわざ兄さんに言うことじゃ…」
「そ…れはそうだけどっ…」
早めに知ってた方が気持ち的に…
「兄さん…ちょっとっ…大丈夫だかね?…」
新たな恋敵の登場にすっかり笑顔の消えた晴樹を苗は覗き込む。
式を済ませたら直ぐにニューヨークに戻るつもりでいた。
何もかもが上手くいく中、ちょっと安心しすぎたかもしれないっ…
「苗…」
「は、い…」
声のトーンの落ちた晴樹。苗はおどおどしながら返事をした。
「ちょっと、俺こっちに居る日にち…延ばすからな!!」
「え!? だいじょびなの、向こうの会社は!?」
「だいじょびだっ! こっちの問題に比べたらなんてことない!!」
「えっ問題!? そ、…そう?」
問題って…
晴樹のただならぬ剣幕に、苗は難しい顔で腕を組む…
…いつの間に問題が起こっただかね?…うーむ…社長夫人になるってなんだか大変そうだよ…
そしてむーっと唸っていた…