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君に熱視線゚
第50章 番外編
「あ、苗? どうしたのっ」
悪友、貴志と肩を叩き合って笑っている晴樹の元へ、苗はフラリと歩いて行った。
ブランドのスーツに身を包み、プライベートの飲み会だからと少し着崩した姿が様になる。
細身のスーツは苗の大好きなルパン風。
長い足を更に引き立てたちょい悪な大人の晴樹に苗はかなり惹かれていた…
今まで感じることもなかった感情。
晴樹を見て胸がときめく。
“先輩ってかっこいい!!”
うん…確かにかっこいいだよ…
苗は由美の言った言葉を思い出し、無言で首を縦に振る…
ボウッとした表情は、心なしか目が座っているようにも見える…
「…ん?……おい、お前のマシューがこっち来るぞ…なんか頷きながらフラついてるな? 大丈夫かアイツ?」
「…え、苗が?」
振り向き様に晴樹の胸に苗はトンと飛び込んできた。
―――?…
「苗?…お前っ」
驚く晴樹を苗は見上げた。ほんのりとピンクに染まった頬。くりくりの瞳はトロンとしている…
「兄さん…」
「ど、うした?…」
「……兄さん……好き…」
――ぶっ…!…
突拍子もない苗の言葉に晴樹も貴志も思わず真剣に吹き出していた。
「いきなりなに言ってっ…」