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君に熱視線゚
第50章 番外編
「ここには来てないぜ?」
「来てない…か…」
たくっ…どこいったんだあのオポンチはっ!?
晴樹は眉間に皺を寄せて顎に手を当て考え込む。
「姉ちゃんもしかして逃げたのか?」
「え?…っ…いや、あ…」
毎回鋭い突っ込みをくれる。そんな空の言葉に晴樹は一瞬あたふたと口隠っていた。
「なんで逃げるんだ?」
鈍い陸が空に聞いていた。
「母ちゃんが気にしてたから…“まさか逃げやしないだろうねあの子は…”って」
「まじで!?」
反対に晴樹が目を見開く。
…苗のおふくろさんには読まれてたワケか…
情けない笑いが込み上げて来ていた。
「いつ逃げたんだ?」
「いつ…って、つい今さっき…」
「姉ちゃん足遅いぞ。兄ちゃんの足で追い付けないはずないじゃん!」
「そうは言っても…」
実際、辺りには影も形も見当たらない…
「なら確実にあそこだな……」
三つ子は声を揃えて怪しんだ。
「あそこ…って」
どこだよ!?
三つ子達の意味深な笑みが気に掛かる──