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君に熱視線゚
第50章 番外編
晴樹は苗の腕を掴んだままマンションの外へ出た。
「あれ、兄さんどこいくの!?」
苗は黙ったままの晴樹に引っ張られていく。隣の実家の前までくると晴樹はやっと苗を解放した。
「お前今日はここで寝ろっ…」
「………」
晴樹に睨まれたまま苗は無言で返す。
たくっ──マジで冗談じゃないっ…
婚約しても安心できないってどういうことだよ!?
「兄さんはマンションで寝るの?」
「………」
しゅんとした顔を見せる苗に晴樹はため息が出ていた。
「マンションで寝るに決まってるだろ…苗はここでゆっくり休め」
正直クタクタだ…
披露宴に二次会。そして苗の起こしたこの騒動──
苗とゆっくり一晩過ごせてたなら、疲れも返って飛んでっただろうに──
晴樹は微かに下を向いて落ち込む様子の苗を見つめた。
好きって言ったくせに…
肝心なところでお預け。
「苗……」
晴樹は苗の頬に手を添えた。
「おやすみ…」
頬に軽くキスをする。落ち込んでるってことは、さすがに悪いのは自分だと反省したのだろうか?小さく頷く苗の頭を撫でると晴樹は苗に背を向けマンションへと帰っていった。