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君に熱視線゚
第51章 番外 後編


「でないの?」

「えっ……」

「……俺、出てやろうか」

悟はけしかける様に苗に言った。電話を手にした悟から苗は慌てて奪い返す。

苗はピッと受話ボタンを押した。

「もしもし、苗?」

「──な、なに兄さんどしたのっ…」

「……?…どしたのって…」

苗の返し方に晴樹は疑問を浮かべた。

「今、仕事終わって家に着いたんだよ。苗はなにやってんだ?」

「な、苗っ!?…苗はねっ…いまっ、あのっ…」

悟ちゃんとこだって言って怒られないだろうか!?

苗は咄嗟にそんな事を考えた。

それもそのはず──
ついこの間、初夜の日に逃げ出した際、悟のマンションに身を潜めた苗は“独り暮しの男の部屋に隠れるなんて何事だっ!”そう晴樹に怒鳴られている。

「なえ?…」

電話口でどもる苗に晴樹は眉を潜めていた。

「結城さんこんばんわ。今、そっちは夜中ですよね」

「──…!」

……悟!?

狼狽える苗の電話に口を寄せて悟はあっさりとそう切り出していた…

悟のとった行動に、苗は目を見開いたまま固まっていた。

悟は苗の握っている携帯に口を寄せたまま晴樹に話し掛ける。


携帯を持っている苗の手を上から握ると、言葉を掛けながら悟の手は苗の腰に回っていた…


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