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君に熱視線゚
第51章 番外 後編
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「一緒にいるのか…」
低い声音が携帯から響いてくる。
「ええ、引っ越しの荷ほどきが終わったんで、後片付け手伝ってもらったんです。今、ちょうど一息ついたとこでした。な、苗!」
悟はそういって苗に電話を預けた。
「──っ!?」
…ええ!?このタイミングで返すの!?──
苗はまたもや焦った。
携帯を持つ手は解放されたが腰に回った手はまだそのままだ。
「苗──」
「な、な、なに兄さんっ」
「まだ、片付けは時間かかりそうか」
「…っ…んなことないよっ!もう終わってお茶菓子食べてるっ!」
「茶菓子?」
「うんっそうそうお茶菓子っ!…っ…ははっ…」
「──…」
……茶菓子…食うのになんでそんなに焦ってんだコイツ…
……──っ…なんかおかしいっ!
苗の携帯を握る手に嫌な汗が滲む。
晴樹の電話口から聞こえるトーンは会話を交わす度に低くなっていく。
悟はまた苗の携帯に口を寄せた。
苗の口元に寄せた受話口に悟の唇が接近する。
近すぎる悟の声の音量は携帯を耳にする晴樹にも違和感を感じさせていた。
「一緒にいるのか…」
低い声音が携帯から響いてくる。
「ええ、引っ越しの荷ほどきが終わったんで、後片付け手伝ってもらったんです。今、ちょうど一息ついたとこでした。な、苗!」
悟はそういって苗に電話を預けた。
「──っ!?」
…ええ!?このタイミングで返すの!?──
苗はまたもや焦った。
携帯を持つ手は解放されたが腰に回った手はまだそのままだ。
「苗──」
「な、な、なに兄さんっ」
「まだ、片付けは時間かかりそうか」
「…っ…んなことないよっ!もう終わってお茶菓子食べてるっ!」
「茶菓子?」
「うんっそうそうお茶菓子っ!…っ…ははっ…」
「──…」
……茶菓子…食うのになんでそんなに焦ってんだコイツ…
……──っ…なんかおかしいっ!
苗の携帯を握る手に嫌な汗が滲む。
晴樹の電話口から聞こえるトーンは会話を交わす度に低くなっていく。
悟はまた苗の携帯に口を寄せた。
苗の口元に寄せた受話口に悟の唇が接近する。
近すぎる悟の声の音量は携帯を耳にする晴樹にも違和感を感じさせていた。