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君に熱視線゚
第51章 番外 後編


「あらあら…それは困ったわね…」


そんな言葉とは裏腹に、どこかしら楽しそうな笑みを浮かべるオカンとは対称的に、苗はダラダラと冷や汗をかきまくった。


…せっかくカレー食べてんだからもっと代謝のいい汗かきたいだょっ…


そんな苗の叫びも知ってか知らぬか、悟は自分の言葉に満足した笑顔を苗に向けていた──



夕刻までの間、食材整理をして空になった冷蔵庫の補充の為に、買い物に出掛けたオカンと苗を待ちながら、悟は田中家の二階で三つ子達とアルバムを広げていた──


悟は苗と離れてからのアルバムの年代別に目を通す。

三つ子達とばっかり写った写真。こっちに来てからの自分と同じ様な幼馴染みみたいな奴は見当たらない。

そのことに悟は少しホッとしていた。

元気に笑う苗の写真、悟はネガはあるのかと三つ子に尋ねた。


隙間を埋めたい──


苗と離れていた時間の隙間を…


せめて写真だけでもいいから──



悟は欲しい写真をネガの中から探し出すと焼き回しする為に大事にしまった。



「ただいまー!荷物取りにきちくりー」

玄関の開く音と買い物から帰ってきた苗の呼ぶ声がする。


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