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君に熱視線゚
第51章 番外 後編
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「さすが智晴氏のパートナーですね。相変わらずユーモアたっぷり」
「ブラックジョークだろあれは……でも、話しのわかる人だから助かる」
晴樹は軽いステップを踏み立ち去っていくリチャードの背中を見送っていた。
ただ──
それでも苗と約束した一週間で帰国するというのは厳しいようだ。
晴樹は髪をかきあげて疲れたため息を零す。
そんな晴樹に村井はパソコンを弄りながら話し掛けた。
「そう言えば晴樹さんが去年行ってた例のリゾートホテル、結城の買収が決まったそうです」
「──……ああ、あれか」
晴樹は思い出していた。苗の田舎に行った際、予約した似非5つ星のホテル──
晴樹の睨んだ通り、経営は火の車だったようだ。
バブル崩壊前に建てられたばかりで瞬く間に不況の煽りを受けてしまったらしい。まわりのゴルフ場も無人のまま放置状態だった。
「買収の話を持ち掛けたら、所有者の権利がそこの大地主の方で東郷って──」
「東郷!?」
「はい、田中家の御友人か御親戚で披露宴にも来ていらっしゃいましたねたしか…」
「ああ」
なるほど…
あの田舎の土地ほとんど所有してるなその分じゃ──
晴樹は一度だけ行ったことのある東郷家のバカでかい屋敷を思い浮かべた。
「さすが智晴氏のパートナーですね。相変わらずユーモアたっぷり」
「ブラックジョークだろあれは……でも、話しのわかる人だから助かる」
晴樹は軽いステップを踏み立ち去っていくリチャードの背中を見送っていた。
ただ──
それでも苗と約束した一週間で帰国するというのは厳しいようだ。
晴樹は髪をかきあげて疲れたため息を零す。
そんな晴樹に村井はパソコンを弄りながら話し掛けた。
「そう言えば晴樹さんが去年行ってた例のリゾートホテル、結城の買収が決まったそうです」
「──……ああ、あれか」
晴樹は思い出していた。苗の田舎に行った際、予約した似非5つ星のホテル──
晴樹の睨んだ通り、経営は火の車だったようだ。
バブル崩壊前に建てられたばかりで瞬く間に不況の煽りを受けてしまったらしい。まわりのゴルフ場も無人のまま放置状態だった。
「買収の話を持ち掛けたら、所有者の権利がそこの大地主の方で東郷って──」
「東郷!?」
「はい、田中家の御友人か御親戚で披露宴にも来ていらっしゃいましたねたしか…」
「ああ」
なるほど…
あの田舎の土地ほとんど所有してるなその分じゃ──
晴樹は一度だけ行ったことのある東郷家のバカでかい屋敷を思い浮かべた。