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君に熱視線゚
第53章 恋の修羅場ラバンバ!
「──……」
「ん、どうかしましたか晴樹さん?」
急に顔を上げた晴樹に直哉は声を掛けていた。
「……いや…、なんかちょっと嫌な予感がしただけだ…」
「…予感?」
「ああ、大丈夫だ気にするな」
自らそう返しながらも晴樹は口に手を当てて考え込んでいた──
……なんか、すげー…嫌な感じがしたけど一体なんだったんだ?…
婚約したにも関わらず──
晴樹と苗の二人の関係は今後も前途多難が窺える……。
晴樹は気に掛けながら、机を挟んで向き合った直哉と何かの資料に目を通していた。
目の前には田舎の風景を写した写真が沢山ある。風情ある無人の駅や廃校になった木造校舎──
住む人だけでは補えない田舎をどうにか活性させるよう、祖父や父親から晴樹に与えられた課題。
それは苗の田舎の村起こしだった──
以前、泊まったことのあるぼったくりホテルをどうにか有効活用できないかと、晴樹自身から口に出した結果──
その地味で何気に大掛かりな仕事は晴樹に託された。
経営、企画、プランナーとしての腕はどうなのか──
晴樹は今、まさに試されている。