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女刑事 沢木麻衣子の性
第3章 刑事と被害者
「警視・・大丈夫ですか?」

事務員の高梨麻美が麻衣子にお茶を出しながら、心配そうに声をかけてきた。

「ありがとう・・大丈夫じゃないわ!皆の前では強がってたけどね」

麻衣子は苦笑した。

高梨も実は麻衣子のファンだった。

「拉致されてから、8時間後に解放されたんですか?」

「そうよ・・長かったわ・・」

麻衣子はそう答えて、悔しげに唇を噛んだ。

「拉致されてる間に・・何をされたんですか?」

高梨が遠慮がちに聞いてきた。

「婦女暴行・・」

麻衣子がお茶を啜りながら、苦々しげに呟いた。

「何か危険な目には合わなかったんですか?」

そう聞いてきた高梨の顔を見ながら、麻衣子は「排卵日に中出しされたわ・・」と真面目な顔で答えたのだった。

「えっ・・?」

高梨は驚いて麻衣子を見た。

「だ、大丈夫なんですか?妊娠しちゃったら・・?」

「大丈夫じゃないから参ってるのよ!」

麻衣子は苦々しげに宙へ視線を向けた。

「だ、だったら早く婦人科に行って・・」

「今更行っても遅いわ。後に飲むピルもあるらしいけど、それも行為後すぐに飲まないと効果がないって・・」

「で、でも・・」

当の麻衣子よりも高梨の方が慌てている。

「仕方ないわ!妊娠したら・・」

麻衣子がそこまで行った時、麻衣子のパソコンにメールが届いた受信音が鳴ったのだった。

麻衣子は座り直して、メールを開いてみた。

『警視庁戸倉署副署長、沢木麻衣子警視 様へ
 連続レイプ事件        犯人より』

そんなタイトルだった。

驚いた。

どうして犯人は麻衣子のパソコンのメールアドレスを知っているのか・・?

麻衣子はハッと思い出していた。

そう言えば、覆面男は麻衣子の警察バッジを珍しそうに見ていたではないか・・

恐らく上着に入れておいた名刺入から名刺を1枚抜き取ったに違いなかった。

確かにその名刺には生活安全課の電話番号とメールアドレスが載っているのだ。

そのメールには添付ファイルがあった。

麻衣子は躊躇わず開いてみた。

次の瞬間、麻衣子の顔が一瞬で凍り付いたのだった。

「な、何ですか・・?」

麻衣子の様子がただ事ではないのを察した高梨がパソコンの画面に目を向けた。

そこに流れている動画を目にした高梨はあまりのショックにその場に崩れ落ちたのだった。

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