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女刑事 沢木麻衣子の性
第3章 刑事と被害者
麻衣子は、皆にもう一度自分が囮になって犯人に拉致される方法を提案した。

「そんな・・危険過ぎます!」

「沢木警視が自らそんな真似をしなくても・・」

皆が一斉に反対する。

「今度はちゃんと準備をする!尾行も付けるし、発振器を隠し持っていく」

麻衣子はこの方法しかないと皆を説得した。

「それから、皆に謝っておく。犯人と接触しておきながら、手掛りが精液だけだなんて・・情けない」

麻衣子は皆に頭を下げた。

だが、皆は麻衣子の心情を痛い程知り尽くしていた。

プライドの高い麻衣子が、犯人に拉致された挙げ句、被害者となってしまったのだ。

表面上はいつも通り冷静で落ち着いたクールな表情を崩してはいなかったが、内心ではどれだけ悔しい思いをしているか・・

そしてそれは、その場にいた課員全員も同じ気持ちだった。

手掛りを探すようにとの麻衣子の指示で全員が例の動画を観ていただけに尚更だった。

特に麻衣子を一人の女性として憧れ、好意以上のものを密かに抱いていた斎藤は、腸が煮えくり返る程の怒りを犯人に抱いていたのだった。

「私が囮になって、この前拉致された公園に行く。あの犯人の事だから、必ずまた私を拉致しようとして現れる筈。犯人を確認出来たら、すぐに取り押さえて!場合によっては発砲もやむなしとする」

「はい!」

全員が一斉に立ち上がった。

待機の一班は斎藤と下田、ニ班は矢口と伊藤!」

「はい!」

「残りは従来通り、別行動!」

「了解!」

麻衣子のテキパキとした指示で皆が捜査を開始した。

麻衣子は発振器と無線のイヤホン、マイクを身に着けた。

「警視・・お気を付けて!」

事務員の高梨がそう言って麻衣子を見送った。


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