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女刑事 沢木麻衣子の性
第2章 被害者 沢木麻衣子
麻衣子はハッと意識を取り戻したのだった。

迂闊だった。

並の男など到底敵う筈のない武道の達人で最強の女刑事と異名を取る麻衣子が、迂闊にも拉致されてしまったのだ。

だが、これも半分は麻衣子の作戦の内だった。

これだけ手掛かりのない行き詰まった状況で、最後の手段として麻衣子は自分が囮になったのだ。



麻衣子はセミダブルサイズのベッドに寝かされていた。

だが、ただ寝かされていた訳ではなかった。

衣服を脱がされ、ブラとパンティを身に着けただけの何とも心細い格好だったのだ。

しかも、両手首と両脚首にロープが巻きつけられ、左右に引き伸ばされて大の字の形にベッドに固定されているのだった。

試しに両手と両脚を動かしてみたが、案の定、ビクともしなかった。

麻衣子は部屋の中を見回していた。

そこは20畳はあろうかという広い洋風の部屋だった。

窓はなく、足元の方角にドアが1枚あるだけ。

壁には見た事がない様々な器具や用具、ロープや棒らしきものが無数に置かれていた。

まるで昔の拷問部屋のようだった。

麻衣子が興味深々の体で部屋を見回していると、ドアが開いて覆面を被った男が部屋に入ってきたのだった。

「お目覚めですか?沢木麻衣子警視様!」

覆面男が麻衣子の警察バッジと手錠を手にしながら話しかけて来た。

「あなたみたいな美人が刑事さんだとは・・ね。正直、驚きましたよ」

覆面男は麻衣子の持ち物を調べたらしかった。

「自分を犠牲にして、囮捜査ですか?さすがですね、やはり人の上に立つ人は違うな」

話しぶりや声のトーンを聞いていると、覆面男は若者のようだった。

少なくとも30歳より下だろうと麻衣子は推測していた。

「でも、あなたのような極上の獲物が自分から罠にかかってくるなんて・・俺もツイテるな♪」

目出し帽の奥で男が笑っていた。

「あなたの目的は何なの?」

初めて麻衣子が口を開いた。

「目的・・?決まってるじゃないですか!イイ女とヤリたい・・それだけですよ!」

覆面男は馬鹿にしたように言い放った。

「こんな方法でしか女を抱けないなんて・・最低な男ね」

麻衣子は落ち着いた声で言った。

「アハハ、それは最高の誉め言葉だな。俺はね、こういう方法じゃないと興奮しないんだよ♪」

覆面男は高らかに笑ったのだった。



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