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ドSなお姉さんは嫌いですか?
第3章 意識

「大丈夫ですか?」
古谷の温もりと優しい声で安心した。
震える声で答えた。
「私は大丈夫…。私のせいでごめんね。怪我してない?」
と言い、まだ温もりを感じていたかったが、軽く押して顔を見た。
古谷の唇から血が出ているのが見えた。
私は急いで古谷の腕を引っ張り店の中へ戻った。
古谷を休憩室の椅子に座らせ薬箱を探す。
「あの男、よく店に来る人ですよね。今日も来てて斉木さんの事ずっと見てたんですよ。」
私は男の顔を思い出し、背筋がゾクッとした。
「そうだったんだね…。よく話しかけてきて、優しくていいお客さんだと思ってたんだけどな…。」
薬箱を見つけ古谷の所へ戻る。
彼の足元に座り顔を確認する。
消毒とコットンを取り出し軽く湿らせ、そっと唇の傷を撫でる。
綺麗な唇…
それと共に罪悪感が増す。
「本当にごめんね。巻き込んじゃって…。痛いよね…」
古谷は大丈夫ですよと笑って見せた。
ガーゼをテープで止め、他の傷も探す。

