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弥輿(みこし)
第3章 宗方宗家
頭硬く風習を守るなんて私には信じられない、どうして宗方が久遠村を護らなきゃならないの?
それも女だからって理由で久遠村に縛られる、女は男の都合の良い道具じゃ無い!!
「いきなり話してもさぁー
普通受け入れられないんじゃね?」
「俺も同じ事を思う、久遠村の風習は郷土事情の特殊な例、外の人間に理解して貰うのは中々難しい」
「……???」
私と村長さんの話の間に入って来た2人の男性、村長さんは渋い顔をしながら2人を見詰めているし、この2人は誰?
「蒼士(ソウシ)に一昭(カズアキ)も来ていたのか」
「昨日聞いていたから今日は家に居たんだよ親父
あー俺は宗方蒼士、この親父の息子で愛海ちゃんとは又従兄弟になるんだ」
「俺は蒼士から聞いた
宗方一昭、如月さんと同じ宗方分家で遠縁と言ったところ」
「……………」
いきなりの事に状況理解出来ず……
でも蒼士さんと名乗った人は私と同じくらいの年齢の感じで、茶髪の長い髪を後ろで1本に束ね、ジーンズにカットシャツというラフな服装。
逆に一昭さんと名乗った人は、黒髪を整髪料でキチッとセットし黒のスーツ姿、多分私よりも年上、30後半くらいの感じがする。
只どちらも村長さんと同じで、顔の造作は良い方だとは思う、宗方ってイケメン系の家系なの??
「確かに2人の言い分は最もだ、長く続く宗方の風習を手早く説明しても理解しがたいだろう
今日のところは顔合わせという事にし、後が知りたければまた此処に来れば良い」
「はい、私もそれで構いません」
良かった、蒼士さんと一昭さんの横槍で村長さんも折れてくれたみたい、今聞いてもどうしての連続だし、一度帰って頭の整理を付けてから続きを聞くのもアリだと思う。
「一番早いのは実体験じゃね??」
「蒼士っ!!」
「わりぃ、冗談だよ冗談
んじゃ俺は一昭と部屋に戻るわ」
「話途中で割り込んで申し訳無い」
「……………」
村長さん今本気で怒らなかった?
それに実体験って??
村長さんがそれに答えてくれる事は無く、私は離れの1つを一晩使わせて貰う事になった。
色々気にはなるけれど、帰れないんだもの素直に使わせては貰うよ。