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弥輿(みこし)
第9章 豊漁祈願・弥の巫女
村全体で隠して隠して、でも子供が出来たからって簡単に奥さんに投げ出すの?
ううん違う、女って言うのは勘の良い生き物だもの、隠しても見付けるんだ。
そして此の狭い村だったら、恨みで巫女を襲うのもアリだと思う、女の……妻の嫉妬と恨みくらい怖いものは無い。
「今は大丈夫、その避妊薬は医者が用意した正規品です、妊娠の可能性などあり得ません」
「でも避妊薬を……ピルを使えば、月のものは止まる」
「それも考慮の内ですが……
豊漁祭の裏の宵宮である、交合の儀が終った後は、此の奥宮祭に関わった男達が日替りで弥の巫女の元に来ます、その男達の相手をするのも弥の巫女の役目の1つなんです」
「つまり私は、毎日男達に犯され続けるという事……」
「いえ、日替りは宵宮の後だけの話ですが、月に二度だけ男達は弥の巫女の寝所に入る事を許される
今年の年男は2人、そして宗方から2人、最後に隼様、此が奥宮祭に関わる面々、ですから月に10日間だけは我慢して下さい」
「柊さんは今年の年男を知っている」
当たり前の話かも知れないけれど、私に取っては寝耳に水の話だよ。
要するに私は此の5人に抱かれるんだ、それも隼さんも含まれて……
体がゾクッとする、あの日の事を、隼さんとの性行為を思い出しただけで、私は……あんな真似をした隼さんが……怖い。
縛り有無を言わさないあのやり方が、私には大き過ぎる隼さんの男根が怖くて仕方が無いの。
「知っています、というより表宮で七五三や厄払いなども行うので、久遠村の殆どの住人の年齢などは把握していますね
今年の年男は、真木歩(マキ アユム)と不破元樹(フワ モトキ)
真木さんは今年36になりますが未だ独身者、不破さんは48の既婚者、それに宗方から蒼士さんと一明、此で連絡が来ています」
「???
柊さん1つ……どうして一明さんだけ呼び捨てなんですか?」
「ああ……
俺と一明は同い年で、子供の頃から交流がありますから、何時の間にか呼び捨てに慣れてしまっているのでしょう
宗方の方は年男とは限らないので、偶々蒼士さんは24と年男ですが、一明の方は多分人数合わせの可能性が高いと思います、一明は既婚者ですから」
あの時……宗方宗家に行った時に会った人達。
それがそのままだなんて……
一明さんは良識のあるような人だったけど、蒼士さんの方は軽い感じを受けた。