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弥輿(みこし)
第10章 豊漁祭・秘中の儀式

そろそろ昼過ぎなので露店も開き始め、子供達が楽しそうに覗いている。
子供だけじゃない、大人も混じっていて見ているだけでも良いなという雰囲気。
そして表宮のメインの神輿は漁港に着いたようで、大勢の男達によって船に乗せられているよう。
少し曖昧なのは、此の場所から漁港までが遠くて全てが見える訳ではないから、目をこらせて見てやっとなの。

「神輿を船に乗せて豊漁祈願と書いていたけれど、海にも神社があるの?」
「いえそうではなく、少し沖に出た所で神輿は海に沈められます、それが豊漁祈願ですね
毎年神輿は作られ、御霊の欠片を乗せ海へと返す、そうすれば御神体様が豊漁を願ってくれるという、久遠神社代々の習わしの1つ
ついでに言えば、今は不法投棄に当たりますから、豊漁祭が終った後に秘かに神輿は回収しています……内緒ですよ?」
「……ぷっ……
内緒って……言ってしまったら内緒にならないでしょう」
「ですから此処だけの秘密」

唇に指を1本当てて秘密という意思表示をする柊さん、今日の柊さんは何時もの神主姿では無く、狩り衣と言ったかな? 昔の偉い人が来ていた装束を来ていて、神主的に言えば正装姿だと柊さんは言っていた。

ただ久遠神社の習わしらしく全身白の狩り衣だけど、でも柊さんに合うの。
正装と言うだけあって、凛とした佇まいが柊さん自身と良く合っている、イケメンは何を着てもイケメンというやつ??

「漁船が出ますよ愛海さん、先頭の漁船が神輿を積んだ漁船で、その後を他の漁船が大漁旗を掲げて随行します
此だけは俺も好きです、子供の頃から此処でこうして見ていました」
「遠くから見ているのに凄い迫力だって分かる
街じゃこんなのは見れないよ、それに柊さんが好きだという気持ちも……私も此は好きになりそうだもの」

1艘の漁船を何十という漁船が追う光景、それは迫力と自信、そして漁師さん達の見栄にも見える。
でも最後には凄いという言葉しか出ないと私は思う、だって船同士があんなに狭い幅で走っているのに、綺麗な扇形の形を取り続けながら乱れる事無く進んでいるの、こんな光景を私は初めて見た。
感動って、こんな事を言うのかな? それだけ印象的に目に焼き付く、忘れられないくらいに。

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