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Seven
第7章 急加速

 翌日。休みを利用して、久々にジュディさんがいるジムに向かった。

「あら! ご無沙汰じゃない!」
「お久しぶりです」
「雪くんのこと聞いたわよ。大変なことになっちゃったわね」
「はい……」
「寂しいんじゃない?」
「まぁ……。でも、雪さんも頑張ってますし! 私も頑張らないと!」
「ふふ。深雪ちゃんらしい」

 ジュディさんと話して、少し心が軽くなった。誰にも言えなかった思いを聞いてもらえたから。そこへ、ユータくんがやって来た。

「あれ? 深雪じゃん。久しぶり! 元気してた?」
「うん。ユータくんも元気だった?」
「ボチボチかな。今日は、お邪魔虫は一緒じゃないんだ?」

 おそらく、お邪魔虫とは雪さんのことだろう。ジュディさんも雪さんの現状を知っていたし、きっとユータくんも知っているはず。

「ま、あれだけの問題を起こしたら、誰にも顔向けできなくて外も歩けないんじゃない?」

 「いい気味」嫌味と皮肉とで歪んだ笑みを浮かべるユータくん。これには黙っていられなかった。会社のために雪さんがどれだけ努力してきたか、ユータくんは分かっていない。人から見えないところで彼は人の何倍も働き、人脈を築きあげてきた。一緒に仕事をしてきたパートナーだから分かる。そんな彼の努力を踏みにじるような発言を私は許すことができなかった。


「雪さんのこと何も知らないくせに」
「……なんだよ、お前もか」
「え?」
「いつも悪者は俺で、アイツは何をしても許されて……。何なんだよ、どいつもこいつも。アイツの味方ばっかりして」

 私を見下ろすユータくんの瞳は輝きを失い、闇の色に染まっていた。

「ユータ、そこまでにして!」
「……はいはい。悪者は退散しますよ」

 ヒラヒラと手を振り、ユータくんは去っていった。その背中が寂しく見えたのは気のせいか……。

「ごめんね。ユータも色々あったみたい。聞いても、詳しくは教えてくれなかったけど──雪くん絡みなのは、確かね」
「……そうだったんですね。ユータくんにキツい言い方しちゃったな……」
「深雪ちゃんが気にすることないわよ。あの子も、もっと大人になってくれたらいいんだけど……。さ! 仕切り直して、トレーニング始めましょ!」




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