この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Seven
第3章 青春カムバック

 耳元に落とされた低い声。鼓膜を揺らすだけでなく、私の心までも震わせた。もっと、彼の声を独占したい……。声だけじゃなく、できれば──

「あ、悪い。電話だ」

 甘い考えは一気に現実へと引き戻された。「もしもし」と電話に出た彼の声は弾んでいた。表情も浮かれている。通話している相手が女性だとういうことは、誰が見ても直ぐに分かる。楽しそうに話す彼の姿を助手席で眺めている内、ふとした疑問が浮かんだ。

──もし、私が雪さんに電話を掛けたら、彼はどんな顔で電話に出るのだろうか。

 とても気になる。迷惑な顔をするのか、今みたいに楽しそうな顔をするのか。はたまた、コイツからの電話か……と、知らん顔で電話にすら出てくれないかもしれない。どの顔も容易に想像がつく。ほぼ毎日、仕事で彼と一緒にいるからだろう。

 しかし、取引先の園田さんと初めて会った入社初日以来、雪さんの不機嫌な怖い顔を見ていない。もう一度怒っている姿を見たい訳ではないけど、あの時の雪さんが少し引っ掛かる。怖かっただけじゃなく、その裏に他の感情もあったような気がして……。

 彼を気にかけるようになって、彼のことを知ろうとして、彼をよく見るようになって、気づいたことがある。

 雪さんは──とても繊細な人。

/125ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ