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Seven
第3章 青春カムバック
バックミラー越しに重なる視線。雪さんの表情も少し照れているように見える。好きな人と目が合って浮かれてしまう学生みたいに、大人の私も浮かれていた。
「ところで、どこに向かってるんですか?」小林さんが開けた窓から夜風が入ってきた。車内に漂っていた甘い雰囲気は外へと排出されていく。
「新しいショッピングモール」
「あー、隣の県に出来た所ですよね!」
「なんだ、小林。お洒落に興味あるのか?」
「一応」
「小林さんの私服、全然想像つかないなぁ……」
「分かる! 何度か見てるけど、小林の私服思い出せないんだよなー。お前、私服でもスーツ着てないよな?」
「着るわけないじゃないですか! 西宮さんは仕方ないにしても、雪さんとはかなり私服で会ってますよ! この間だって、雪さんがセッティングしてモデルさんたちと合コンしたじゃないですか!!」
モデルさん? 合コン? それも、雪さんがセッティング?
「バカ! 小林、余計なことを言うな! 西宮さんもそんな目で俺を見るなよ! ただの合コンだって! 別に誰もお持ち帰りしたわけじゃ──」
「え? あの綺麗な人と二人でホテル街に……」
「それって──お持ち帰り、したんじゃないですか……」
「誤解を招くようなことを言うなよ、小林! 駅まで送っただけだって! あの道を通ったほうが近道なんだよ!」
必死になって説明する雪さんがおかしくて、小林さんと二人で困らせるようなことばかり言い続けた。