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Seven
第3章 青春カムバック
新しくオープンしたということもあり、平日にも関わらず、ファッションモールは人で溢れていた。駐車場に車を止め、中を散策していく。様々なお店が並び、見ているだけでも楽しい。
「色んなお店がありますね!」
「ですねー。あ、雪さん! 雪さんの好きなブランドもありますよ」
「お! それが目当てだったんだよ」
小林さんが見つけたお店に三人で向かった。普段、雪さんはどんな服装をしているのだろう。小林さんと雪さんは別行動を取り、私は雪さんについていった。彼が手に取る服に視線を送る。
「こういうラフなパンツが欲しかったんだよなぁ」
軽く合わせたグレーのズボン。身長が高く、すらっと長い彼の脚との相性は抜群。というよりも、彼は何を着ても様になる。
「どう? 西宮さん」
「すごく似合ってます! 雪さん、何を着ても似合いますね」
「だろ? 似合い過ぎて困るんだよ」
「ふふ! 確かに」
笑う私に彼も笑みを返す。そこへ小林さんがやって来た。
「雪さん、買わないんですか? 俺、他に行きたい場所あるんですけど」
「あー、いいや。お前が行きたいとこ行こう!」
店を出て小林さんが行きたいというお店へ足を向けた。その間、ランジェリーショップが目に止まった。新しい下着買おうかな……。
「西宮さん、下着買う?」
「え?」
「俺が見立ててあげようか?」
「雪さん! さすがにそれは……」
「小林、何顔赤くしてんだよ」
「してないですよ!」
二人のやり取りが微笑ましい。
「今日はいいです。別の日に買いますから」
「じゃあ、その日言って。俺ついて行くから」
「結局、雪さんが見立てるんですね」
「当たり前だろ! 女性の下着は男が選ばないと。ね? 西宮さん」
「私に振られても困ります!」
この楽しい時間がずっと続いたらいいのにな……。そんなことを思いながら、小林さんと雪さんの笑い声に挟まれ、ライトアップされたモール内を進んで行った。