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Seven
第3章 青春カムバック
「あ、いえ……暇じゃないです」
「え? でも、一人でおるやん?」
「そうだよ。俺らと遊ばない?」
「遊びません!」と強めに断っても彼らは去る気配がない。それどころか、「連絡先教えて」「美味い店あるから、今から行かへん?」と食い気味に言い寄ってくる。困ったを通り越して呆れてきた。
「おい。人の女、勝手にどこ連れてくんだよ?」
聞き覚えのある声に振り返れば、雪さんが立っていた。それも──入社当日に見た、あの怖い顔で。いつも表情豊かな人だから、無表情だと威圧感がもの凄い……。
「あ、えっと──」うろたえる彼らを長身の雪さんは見下ろし、堂々と言い放った。
「俺の女口説きたかったら、俺よりカッコいい男になってからにしろよ」
ここまで言い切られると、とても清々しい。自意識過剰だと思うこともあるけど、結局のところイケメンは何を言っても許される。関心していると、私の左肩を雪さんは抱き寄せた。彼がつけている香水の香りが近くで薫る。距離の近さに高まる緊張。体内の血液が沸騰したように内側から火照っていく。