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Seven
第4章 恋の連鎖が止まらない
「分かってる」淡い期待と一緒に流し込んだカラメル色をした炭酸ジュースが喉の奥をツンと突き刺した。友人の言葉も突き刺さった。若い頃のようなピュアな恋愛は歳を重ねるにつれ、難しくなってくる。行き着く先は、いつも一緒。セックスするか、しないか。後者を選択した時点で、どんな恋愛も終止符が打たれる。──それが【大人の恋愛】だ。
「深雪はピュアだから、余計心配なの。割り切った付き合いができるほど器用じゃないし」
「うん。自分でも、そう思う」
「遊び人ほど女にやさしいんだよねー。扱いが慣れてるのか知らないけどさ。──あたしも遊び人と色々あったんだ」
「え!? そうなの!? あたし聞いてないよ!」
「うん。言ってないもん。……暗い話だから」
彼女は明るくて強い女性だ。周りをいつも気遣ってくれる。だけど、私としては何でも話してほしい。一人で抱え込まず、誰もいないところじゃなく、誰かのいる傍で泣いてほしい。そのときには私が傍にいてあげたい。友達というのは、そういうものだと思うから。
「……好きになった相手には奥さんがいたの。会社の上司だったんだけどね。何回か体の関係を持ったあとに奥さんと一緒にいるところを偶然目にして……そこから恋の魔法が解けるのは、まぁー早かったよ。よく見れば全然カッコよくないし、タラコ唇だし……。何でも良く見せちゃうんだから、恋の力って怖っ!って思ったよ……マジで」