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Seven
第4章 恋の連鎖が止まらない
私も彼女と同じように恋の魔法にかかっているだけなのかもしれない。雪さんのことを考えると、速まる左胸の音。やめればいいと分かっていても、この音は止まらない。それどころか、彼を【好き】だと何度も伝えてくる。
「でもね、深雪──自分が幸せなら、それでいいと思うんだ。深雪がその人を好きなら、その人じゃなきゃダメなら、迷わずその人の傍にいるんだよ。私はいつでもあなたの味方だからね」
「ありがとう、菜津美(なつみ)」
持つべきものは、やはり友人だ。彼女と友人になれて、私は幸せ者だ。「おつまみ奢ってあげる!」「いいの? やったー!」互いに微笑み合いながら、この後も会話に花を咲かせた。
不特定多数の中の一人になったとしても、私は雪さんの傍にいたい。もっと、彼の笑った顔を近くで見ていたいから。
──例え、一番になれなくても……。
「頑張りなよ、色々大変だろうけど」
「うん! 頑張るよ!」
「また話聞くから」
「相談乗ってね。今日は、楽しかった! ありがとう!」
菜津美を家まで送り、私も帰宅した。明日も雪さんと一緒に仕事だ。それだけで幸せな気持ちになる。
──明日も彼の笑顔が見れたらいいな。