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Seven
第4章 恋の連鎖が止まらない
翌日会社に行くと、いつものように雪さんの席は空席のまま。朝会が始まっても、皆がバタバタ営業に出かけても、一向に彼が来る気配はない。これも、いつものこと。
「西宮くん。陣川は、どうした?」
杉野さんが私に訊ねてきた。雪さんとタッグを組むことになってから、同部署の人たちは私に彼の動向を聞いてくる。
「分かりません。何も連絡なくて……」
「何やってんだ、アイツは!」
「お話中、すみません」私と杉野さんの間に小林さんは立ち、控えめに挙手をしていた。
「今日、陣川さんは来ませんよ。ホワイトボードに【休み】って書いてあります」
「いつの間に……。分かった。西宮くん、悪いが今日は一人で営業に出掛けてくれないか?」
「分かりました」雪さんがいない営業。一人は不安だ。でも仕事だから、やるしかない!
「それで、どこに行けば──」
「園田くんのところだ。その帰りに青葉くんの会社に寄って、手土産を置いてきてくれ」
よりによって……園田さんと青葉さんのところだなんて。ますます心配だ。
『園田さんのところに行く時は、必ず俺と』雪さんと約束したけど、彼が休みでいない今、一人でも行くしかない。
「いってきます!」杉野さんに告げ、私は会社を後にした。