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Seven
第4章 恋の連鎖が止まらない
最悪の展開だ。雪さんの言葉の真意を身を持って知ることになってしまった。このままじゃ──園田さんに食われる……。
どうしよう……。考えてみても、逃げ道が見つからない。入ってきた扉の前からは案内してくれた女性社員の話し声が聞こえている。部屋中を歩き回ってみたが、外に通じている扉はその一枚しかない。あとは──見張らしのいい窓ガラス。確実に飛び降りたら助からないだろう。真向かいに見えるビルと比べても、部屋の高さは五階より上に位置している。
携帯で連絡を試みるも、誰に助けを求めたらいいか戸惑った。雪さんに連絡を入れたら、彼の顔にまで泥を塗ることになる。もしかしたら、契約自体──最悪の場合、わが社との取引自体なくなってしまうかもしれない。
力なくベッドに腰を落とした。手のひらから転がった携帯。画面の光がやたら眩しく感じた。
──コンコン……
ノック音がし、誰かが部屋に入ってきた。もう終わった。園田さんに食われるんだ……。
「西宮さん、どうしたんです? そんな暗い顔して」
「え!?」
現れた人物に驚きを隠せなかった。どうして、この人がこの会社にいるの──?
「ふふ。驚きました? ──俺、本当はこの会社の人間なんですよ」
「……それって──」
「そう。【企業スパイ】ってやつです」
「そんなふうには」
「当たり前でしょ、スパイなんだから。西宮さんって、本当可愛いですね」
近づいてきた彼は男性の力で私をベッドに押し倒した。
「──本当、無知で無垢なバカな女」
「離して!! ──青葉さん!!」