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Seven
第4章 恋の連鎖が止まらない
悟られないようにしていたのに、意図も簡単に雪さんは私の表情を読み取ってしまう。どうして、いつも気付かれてしまうのだろう?
「『なんで分かったの?』って思った?」
「……はい」
「それだけ深雪ちゃんのことを俺がよく見てるってことだよ」
満面の笑みで放った冗談の破壊力は凄まじい。加速する心音に胸が苦しい。止まらないドキドキを抱えたまま、助手席に乗り込んだ。
「──で、青葉と何があったの?」
「……告白?のようなものをされました」
「なんだよ、ようなものって。青葉に『好き』って言われちゃった?」
「……はい」
「ふーん。やっぱ、アイツ本気だったんだ。深雪ちゃんは何て答えたの?」
「何も」
「へ?」
「え?」
顔を見合わせ、互いにフリーズしてしまった。青葉さんからの言葉に私は何も返していない。けど、改めて伝えなくても私の気持ちは伝わっていると思う。その前のやり取りから、彼に気がないことは明白だから。
「あぁいうタイプは、しつこいからなぁ。断るならハッキリ言わないと」
「そうなんですか?」
「うん。『あんたなんか顔も見たくないわ!』ってフッてやれ。酷いことされたんだし、それくらい言ってもバチは当たらないって」
「……さすがにそこまでは。青葉さんも反省していましたし」
「甘いなぁ、深雪ちゃんは。俺が逆なら一発……いや、三発は殴ってる」