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モデルの撮影だったのに
第1章 起
直メだ。

「みくです。届いたかなあ?」

そのときの喜びといったらなかった。

「届きました。メールありがとう。これで心置きなく、いっぱい文字打てるね」

とすぐに返信。

「だねっ。先生、今日やっとテスト終わったあ、やばかった。赤点めちゃあるかも」

絵文字も、がんがん入ってくる。

彼女はauらしい。

「テストなんてどうってことないよ。頭の善し悪しは、ペーパーテストでは計れないから」

「いいの?先生がそんなこと言って。生徒の成績あげるのが、仕事なのにぃ」

「まあ、そうだけど前も言ったかもだけど、知識あっても使えなきゃだめだし。世の中、相手があって物語が進むから、紙の問題できたって役に立てられない人多いじゃん」

「あはは~確かにっ。てかそれ何回も先生から聞いた気がする(笑」

こんな会話を間断なく続けていく。

「ねえ、聞いていぃ?先生はこういうので、会ったりしたことある?」

「ないなあ。普通怖くて女の子は会わないでしょう。だから、こっちからも会おうなんて言ったことないし。みくはあるの?」

「あたしはないよ。やっぱ怖いし。どういう人かわからないしね」

「そだねえ。でもどういう人だったら、会ってみたいと思う?」

突然メールの返信がこなくなった・・・。

失言したかと思った。

するとバイブが、しばらくして鳴った。

私はドキドキしながらメールを開いた。

「えっと、竹之内豊~うそうそ(笑)優しくて面白くて怖くない人かなあ。わかんないよ」

「そっか。でも、優しくて面白くて怖くないって、メールだけじゃわかんないよね。みんなどうしてるんだろう?」

「ほんとだね。メールだけじゃわかんないね。会ったりしてみないと」

「あってもいいって思うのは、どういうときなんだろうね?」

「あーそれって先生あたしを誘ってる?(笑」
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