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クリスマスイブの最低なプレゼント
第4章 紳士的なおじさまと……
「ありがとうございました。助けてもらちゃって」
素直な気持ちでお礼を言う。
今隣に座っている男性はさっきの中年クソサラリーマンとは違い紳士的なおじさまだった。


「いや……。大したことしてないですよ。ああいうのに絡まれるのは面倒だってことは良くわかっているから」
紳士的なおじさまは低く渋い声で言った。
「でも本当に助かりました」
私はもう一度お礼を言う。
「でも何でサンタのコスプレなんかして海鮮居酒屋で一人で飲んでるの?」
まあこの流れなら絶対聞かれると思ったけど正直聞かないでほしい。
私の表情を見て紳士的なおじさまは「あ! ごめんね。余計なことを言ってしまったようで」と言った。


私はそのまま紳士的なおじさまと楽しくお酒を飲んだ。
おじさまと飲んでるとアイツのことも忘れられた。
「もう、信じられないでしょー。イブ、イブですよ。イブだっていうのに他の女と会ってたなんて」
話たくなかったことを自然とおじさまに話していた。
おじさまはこの世代らしい説教とかしないで静かに私の話を聞きながらお酒を飲んでいた。


「おじさまは。結婚とかしてないんでーすか?」
私はもう相当酔っていた。
「結婚はしてたよ。でも離婚した。だから俺も女性気持ちがわかってないのかな」
お酒を飲みながらゆっくりと言葉を噛み締めている。
きっと離婚までにいろいろあったのかもしれない。


「ごめんなさい。私も余計なこと聞いちゃいましたね」
「これでおあいこということで。それにおじさまっていうのはアレだね。名前教えるよ。乾隆」
「乾さんですね。私は笹村恵美です」
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