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当機は偶然により、運命を変更致しました
第1章 到着地の状況は最悪
「地下鉄の次は、新幹線か高速バスに乗るからね」
そこそこ混んでる地下鉄に、荷物と一緒に無事乗れた。
切符を買おうとしたら、SuicaかPASMOは?って聞かれた。
「福岡の地下鉄も、Suicaで乗れるんですね」
「大抵乗れるんじゃない?宮崎のバスも乗れるし……あ、次の博多で降りるよ」
「博多?福岡じゃなくて?」
「駅の名前は、博多なんだよ。
秋葉と岩本町みたいなものかな?いや、大阪と梅田かな?」
秋葉と岩本町は分かるけど、梅田はよく分かんない。
でも、お隣さんがあちこち土地勘有る人なんだって事は、分かった。
ふーんと思ってる間に、お隣さんはスマホで何か検索してた。
「今の時間じゃ、新幹線乗っても変わんないみたいだなあ。目的地は、宮崎のどこ?」
「宮崎の、宮崎……」
どこって聞かれても。
宮崎駅からの行き方しか、分かりません。
それも怪しいかも、大体いつも車で空港に迎えに来て貰ってたから。
「宮崎市か。市街地?駅でいい?俺途中で降りるけど、バスで良いかな。終点まで乗ってたら駅だよ」
「お任せします……」
聞かれてもよく分からないのが、情けない。
通い始めて短くも無いのに、こんなに何にも知らないなんて。
「了解。じゃあ、まずバスセンターね」
私がちょっと落ち込んだのに気付かずに、お隣さんはにこっと笑って、大きい出口の一つに向かった。