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当機は偶然により、運命を変更致しました
第1章 到着地の状況は最悪
「どう?」
「……美味しいです!」
「そう?良かった!」
お隣さんお勧めのラーメン屋さんは、ラーメン横丁みたいに店が集まってるとこだった。
そこでなぜか、博多ラーメンじゃなくて、焼きラーメンっていうのを勧められた。
一口食べるのを待って感想を聞かれて答えたら、お隣さんは嬉しそうに笑った。
「いやー、良かった!初めて食べるのにお勧めしたのが口に合わなかったらどうしようかと!」
「それにしては凄い強引に勧めましたね?」
「だって旨いし珍しいから、焼きラーメン……あ、水もっと飲む?」
焼きラーメンは、美味しいけど塩分多めだ。
水を飲み干したらお隣さんが側にある水のピッチャーを持ち上げた。
「あ、自分でします」
「いいっていいって。俺の方が近いし」
……なんで私、誕生日サプライズを予定してた日に知らない男の人とカウンターで並んで、ラーメン食べて水を注いで貰ってるんだろ。
焼きラーメンが美味しいから、まあ良いか。
食べ終わって外に出たら行列が出来てて、びっくりした。
他にもお店が有るのに、私達の食べた店だけ行列だ。
「すごい並んでる……!」
「名店だもん。俺、運が強いんだよねー。さっきはラッキーだったって事」
お隣さんが、ドヤ顔で言う。
ふーん。運が強くて、ラッキーなんだ。
でも、宮崎行く予定が福岡来ちゃってるんだから、全体的にはアンラッキーだよね?
運が強いとは、言えないんじゃないの?
言わなかったけど、心の中でそう思った。