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当機は偶然により、運命を変更致しました
第2章 涙のチキン南蛮

「どこも、満室……」

「え。なんで」

お隣さんは、固まった。

「なんで、だよね??だって、宮崎だよ?大都会じゃないよ?なんで、満室なのよー……!!」

「……そうか……濃霧で着陸出来なかったんだもんな……」

お隣さん、こんどはうんうん納得してる。

「なんで、着陸出来なくて満室になるの?宮崎来れない人がたくさん居るんじゃない!!なのに、どうして満室になるのよ!」

「それはねー。飛行機が着かないと、帰る便も飛べないからだよ。機体が無いでしょ」

「……あ。」

そうか……そうなんだ……
飛行機来ないと、帰る人も帰れないんだ……!
思いつかなかったよ!

「急ぐ人は別の空港行っただろうけど、休みだから泊まっちゃえって人も居たんじゃない?俺達の飛行機以外も、濃霧欠航有っただろうしね。あとは、季節的な事かな。今宮崎には、野球ファンが沢山来てる」

「そっかー……ホテル大儲けで、良かったねー……」

私は、泊まるとこ無いけどね。

「ああー……浮気の現場見ちゃったし、別れたし、泊まるとこないし、もー、最悪……」

私は、テーブルに突っ伏して唸った。

「泊まるとこ……漫喫……スーパー銭湯……健康ランド……」

泊まれそうなとこを、思いつくまま、言ってみる。

「東京だったらたくさん有るけど……宮崎のどこに有るのか、知らないよー……」

知らないけど、調べなくちゃいけない。
そうしないと、今日寝るとこが無い。
ぶうぶう嘆いていたら、満室の話の後は口をつぐんでたお隣さんが口を開いて、チキン南蛮を一つ、口に放り込んだ。
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