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当機は偶然により、運命を変更致しました
第2章 涙のチキン南蛮

「うちくる?」

お隣さんはチキン南蛮をもぐもぐしながら、はっきりしない発音で言った。

「え?」

「俺の宿泊先。お任せで取ったら、二人部屋だったんだよね……冷めるよ?食べて」

チキン南蛮の皿を押し付けられたので、何も考えずに一つつまんで口に入れて、もぐもぐ噛んだ。

「実は俺、日帰りの予定だったんだ」

「日帰りっ!?」

宮崎って、九州だよね。
九州って、東京から日帰り出来る場所なの?!

「到着が遅れたせいで、仕事半分終わんなかったのと、多分さっき言った奴ーー行きが着かなかったせいで帰りの便が欠航になって、明日帰ることになったんだよね」

私は、お隣さんをまじまじと見た。
だけどお隣さんは、チキン南蛮の皿だけ見ながら、二個目を口に放り込んだ。

「欠航だから宿泊補償出る事になって、せっかくだからいいとこ泊まろっかなって……当日限定お部屋お任せプラン!みたいなの取ったら、部屋が無駄に広かった」

無駄に広い……どんな部屋だろう。

「知ってる?二人部屋のシングルユースで一人分しか使わなくても、掃除する時リネンとか全部替えるんだよね。勿体なくない?誰か泊まって使ってくれたら、無駄になんないから罪悪感持たなくて良いんだけどなー……あ、朝食は付いてないから。申し訳ないけど、必要だったら別に頼んで」

なんか、いい人だけど……抜け目の無い人?
もう私、泊まる想定になってませんか?
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