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当機は偶然により、運命を変更致しました
第2章 涙のチキン南蛮
「……ムカつく……私も、浮気する……」
「それ、浮気って言わないよね?」
ぎゅっと抱き付いたら頭の上をわざとらしい大きな溜め息がふーっと吹き抜けた。
「もうお別れしてるんだから……ってかむしろ君が浮気相手じゃ痛てててて」
「意地悪っ!」
このショーゴめ!
ショーゴって名前の男は、ろくな奴じゃないよ!
ぐだぐだ言ってるのは無視。
とりあえず、浴衣の帯を解く。
「え、ちょ、待っ」
「どうせ今日はその予定だったから、遠慮しないで。お礼の印?体で払わせて……ほら、ラッキー!と思って」
自分だけ先に脱ぐのも変だよね。
自分の浴衣は前を開いて肩に引っ掛けたまま、ショーゴさんの浴衣の帯を解く。
「おいっ?!……いや、確かに俺、胸派だけど!」
「なんで今チキン南蛮……さっさとシよ」
前をはだけた同士で、もう一度抱き付く。
あったかい。
人肌大好き。
やっと諦めたのか、片手で抱き返して片手で私のほっぺたを撫でて、上を向かせたショーゴさんは。
「……あ。やっぱ、駄目だ。」
いいとこで、止まった。