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当機は偶然により、運命を変更致しました
第1章 到着地の状況は最悪
「引き返しは、無いだろうけど」
鼻セレブをくれたお隣さんは、独り言みたいに呟いた。
「福岡あたりに、ダイバートになるかもしれないね」
「え?ダイハード?」
「あー、それみんな思う奴」
お隣さんはまた笑ったので、また目がなくなった。
「ハ、じゃなくて、バ。ド、じゃなくて、ト。
空港に降りられなくて、近くの空港に降りるって意味」
「へー……ダイハート……」
お隣さんは、今度はぷっと吹き出した。
「ダイハートって!ハート死んだら困るでしょ!?
さっきより合ってるけど、ハじゃなくて、バ。
ダイハードでもダイハートでもなくて、ダイバート。」
「ダイ、バー、ト……?」
「そう!正解!」
やり取りがなんかおかしくて、ちょっと笑って、気分が少し明るくなった。
良い人がお隣さんで、良かったな。
でも。
目的地変更で福岡かも……かー。
一回しか行った事ないや、福岡。
その時も、福岡に着いて福岡で用事して福岡から帰ったから、すごい楽しそうな街だった事しか、憶えてない。
……福岡着いたって、その先は、どうしたら良いの?
そんな事を考えてたら、だんだん高度が下がってきた。