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当機は偶然により、運命を変更致しました
第1章 到着地の状況は最悪
「……急上昇したね!大丈夫?」
ちょっとしたら、ゴーッと言う音も圧力も収まった。
お隣さんと、顔を見合わせる。
「はい。でも、ちょっとびっくり」
降りるのかと思ったら、急上昇。
どうなってるの、これ?
そう思ってたら、またアナウンス。
『操縦席よりご案内致します。当機は宮崎空港に着陸を試みましたが、安全な着陸は困難だと判断致しました』
そっか。
着陸、出来なかったのか。
結局、ダメだったんだ。
『……これより当機は到着地を変更し、福岡空港へと向かいます』
あとどのくらいで着くかとか。
のちほど地上職員から行き方を説明するとか。
交通費は全額出るとか、お詫びとか。
色々説明されてるけど、ショック過ぎて、頭に入らない。
「やっぱり、福岡になったかー」
「福岡から宮崎……どうやって……」
「新幹線とバスか、バスかなあ」
「え?バス?」
「うん。早いのは飛行機だけど、降りられないからそれは無し」
「宮崎行きの、電車は?」
「無いよ。」
「えっ!?電車、無いんですか?!新幹線は?」
「鹿児島とか熊本は新幹線で行けるけど、宮崎には行けないよ。九州って、バス移動が主体なんだよね」
「バスっ……」
バスなんて……!
普段電車と地下鉄しか乗らないから、全然イメージ湧かない。
「とりあえず、地下鉄で空港から出て……
あ、説明始まるみたいだよ」
アナウンスが、機長からCAさんに変わって。
到着後どうしたらいいのかを、話し始めた。