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当機は偶然により、運命を変更致しました
第1章 到着地の状況は最悪

   *

「えっと、地下鉄……地下鉄……」

荷物の受け取りにもたついた私は、乗客大移動に出遅れちゃって。
気がついたら、周りに誰も居なくなっちゃった。
地下鉄って言うくらいだから、地下に行かなきゃいけないんでしょうけど。

地下への降り口は、どっちでしょう?

   *

到着地変更の、30分くらい後。
飛行機は、アナウンス通り福岡空港に着いた。

着いた後、しばらく中で待たされた。
でも、その間、スマホを使っても良いですよって言われた。
普通は通話はダメだけど、迷惑にならない範囲なら大丈夫って。
宮崎に降りてたら、30分前には着いていたはずだもん。
お迎えの人に連絡したい人だって、たくさん居るよね。

「機内Wi-Fi付いてない機種は、こういう時大変だな」

タブレットじゃなくスマホを操作していたお隣さんが、溜め息を吐いた。

「君は、連絡しなくていいの?」

「良いんです。誰も待ってないから」

「え?だって、誕生日」

そう言ったお隣さんは、しまった、って顔をした。

「ごめん。個人情報だよね」

「いいえ。大声で話したの、私ですし」

待ってなんか居ないし、連絡する必要なんか無い。
だって、今回来たのは、サプライズだから。
だから、行くって連絡もしていないし。

『お待たせ致しました。これから地上係員より、交通等のご案内をさせて頂きます……』

突然、アナウンスが始まった。
説明が終わったら、降りれる事になったみたい。
お陰で、お隣さんに、どうして私が連絡しなくていいのかを、説明しなくて良くなった。
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