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夜ごと疚しい夢を見る(「初めて女を~」ピックアップ御礼)
第1章 夜ごと疚しい夢を見る
ローゼルは、まだ子どもです。初潮も迎えておりません。
しかし、五つ年上のビスカスは、既に精通を迎えておりました。
それがどういう事なのかは寝具を汚した翌日に年嵩の使用人仲間に教えられておりましたし、それとなくでは有りますが、迂闊に女に手を出さない様にと釘を刺されてもおりました。
「学校終わる年になったら、祝いに女の居る店に連れてってやるからな。それまでぁこいつで我慢しておけや」
そう言ってパチンと手を叩かれたのが、昨日の事の様に思い出されます。
そんな仲間達からも、お嬢様についての注意は、殊更言われなかったのです。
「お前にお嬢様をどうこうしようって気が湧くたぁ、これっぽっちも思えねぇからなあ」
「どうこう、って?」
きょとんとするビスカスに向かって、別の男がにやっと笑って声を潜めて言いました。
「こいつで悪さぁするって事さ」
「うええええええええぇぇっ!?」
股間をぽんっと叩かれたビスカスは、瞬時に頭が沸騰しました。
「そんな事っ、有り得ねぇですっ!!!!……お嬢様に、そんな……考えるだけでも、罰当たりです!!」
「ははっ!!お前は、そうだよなあ!」
ビスカスは、頭を乱暴に撫でられて憤慨しました。
「お嬢様にそんな下劣な目を向けるなんて、たとえ冗談でも二度としねぇで下せえっ!!奥様に、言い付けますよっ!!!!」
「はいはい、分かりましたよー」
「おー、怖っえーなー!」
男たちはどっと笑いましたが、ビスカスはひたすらムッとしていました。