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夜ごと疚しい夢を見る(「初めて女を~」ピックアップ御礼)
第1章 夜ごと疚しい夢を見る
* * *
「ビスカス?」
そんな事を思い出していたら、名前を呼ばれました。
「はい?何ですか?」
「音、近くなって来てない?」
「あー」
言われてみれば、先程より雷鳴が大きくなっています。
「やだっ、怖い……」
「大丈夫ですよ。そのうち行っちまいますから」
「ぎゅっとして」
「はいはい」
ビスカスは抱き付いて来たローゼルの体を、音が聞こえない様にきゅっと抱き込みました。
温かく柔らかくて、いい匂いがします。
ローゼルが体を擦り付けてくると、膨らみ始めた胸が感じられました。
「ん……」
擦れているうちに未成熟な胸は、つんと慎ましく尖って来ました。
まるで、誘われている様です。ビスカスは思わず、ドキッとしました。
「きゃあっ」
閃光が部屋の中を照らしました。
乱れた髪と涙の溜まった潤んだ瞳、薔薇色の頬。
「やぁ……こわい、ビスカスっ……」
花片の様な唇は軽く開かれて、掠れた声が零れて来ます。
本人は怯えているだけで、全くそんな積もりは無い事は分かり切っています。しかし、持って生まれた天恵たる美しさと性的に熟し切っていない幼さが綯い交ぜになって匂い立つ様な肢体は、見る者に抗い難い欲望を催させる程に扇情的でした。
「リュリュ……?」
「え?ビスカス?……んっ」
ビスカスは禁断の酒でも口にしたかの様に、目の前で震えている頬を撫でました。そして、花を思わせる唇に口づけました。
しばらく唇を味わい、口づけを深めた途端に、ローゼルの体が固く強ばりました。
「んっ……んー、ん!んっ」
ローゼルはビスカスの体を拳でどんどん叩いて押し返そうとしましたが、少女の力ではきつく抱いている腕から逃れる事は出来ません。