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扉の向こう
第5章 その夜2
テレビは本日の出来事を伝えている。僚太は、テレビ番組の内容など入る事なく、悶々としながらはどうすれば、香菜を「犯す」事が出来るか考えていた。「どうした事か」吐き出すように僚太は呟く。残念ながら香菜の見た事の無い反応に、名案は出て来る様子は無かった。そんな時、バスルームから香菜の声が聞こえた気がした。気になり、そーっと洗面所の扉を開けて、中の様子をうかがう。香菜はシャワーを浴びているようだった。これといった異常もなく「これは単なるのぞきだ」と我に帰り扉を閉めようとした瞬間だった。「ンッ・・・ンッ・・ン」明らかにあえぎ声を我慢している声がした。さらに耳を澄ますと聞き慣れた香菜の夜の声が、小さいが、している気がする。初めて聞く香菜の自慰の声。僚太は後頭部を殴られたような衝撃を身体に感じ、大きく息を吸ってゆっくりと吐くと、服をその場に脱ぎ散らかす。勢い良く開けられた洗面所の扉の向こうの鏡には、獲物を狩りに行くかのような目をした僚太の姿が映っていた。