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扉の向こう
第7章 久しぶりの・・・2
「長かったね。お腹が痛かったの?」香菜が心配そうに迎える。「いやー、前の人が長くって」わざと困った顔をして答えた。そしてまたさりげなくシートを香菜に近づけて、香菜に密着するように座る。男の、先ほどより密着した座り方に雰囲気を察知した香菜は、恥ずかしさから、何も言えず黙ってうつむいてしまう。香菜がどういう反応するか、男は仕草や雰囲気に気を配ったが、特に嫌そうにしている感じはしなかった。男はこのデートの成功を確信した。一方香菜は、長い夜の続きの想像を膨らましてしていた。テーブルの上にあった男の左手が下に潜り込む。香菜のふとももに男の手が触れる。男の右手が香菜の手の甲に添えられる。男は香菜を見つめながら、優しく落ち着いた声で「香菜、今日は楽しかったね。もう少し夜を香菜と一緒に楽しみたいけど、いいよね」 二人の長い沈黙が続く。香菜は下を向き、小さく頷くしかできなかった。「マスター会計をお願いします」男がバーテンダーを呼ぶ。そして会計を済ませると、男がドアを明け香菜を外にエスコートする。男は入り口で待つ香菜の右側に立つと、左手で香菜を腰から抱き寄せる。そして二人は近くに呼んでおいたタクシーに乗り込む。男が「×××ホテルまで」二人の夜はまだ終わりそうに無かった。
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