この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
扉の向こう
第11章 ぽっかりと空いた穴
リビングには、皿を洗う音と、付けっぱなしのテレビから流れて来る、ミュージックステーションの曲前インタビュー。香菜は皿を洗い終えると、洗濯機に行き、洗い終えた洗濯物を籠に入れる。洗う物も増えて、物干しまでの籠が重たい。望海の成長を考えると、幸せな重たさだと実感しながら、
(これからは重たくなっていくことはあっても、軽くなることは無いのね)
と思いつつ、洗濯物を干していく。これが終われば、後は寝るだけ。しかも明日からは週末、香菜のパートも休みだ。寝るまでの時間が、香菜にとって大切な時間になっていた。
リビングに戻る前に、そっと寝室を覗く。望海はいつもの様に両手を上に挙げ、万歳の様な格好で寝ている。その横では僚太が、大きないびきをかきながら寝ている。
(望海もこんな中でよく寝れるものね)
と感心しつつ、駄目元で僚太に近づき、声をかける。
「僚ちゃん・・・・、僚ちゃん。」
起きない。次は優しくさすって
「僚ちゃん、僚ちゃん。」
「ん・・・・・っ」
僚太は、眠たそうなそうな顔で香菜を見上げた。しかし、今度は望海の方を向いて、寝直す体勢をとると、
「ママ、ごめんね。今週も疲れたから、もう少し寝かせて。」
と言って再び寝てしまった。香菜は少し残念そうな表情を浮かべると
「僚ちゃんごめんね、おやすみ。望海もおやすみ。」
そう言うと、再び優しい表情に戻り、気持ちよさそうに寝ている望海を見て、優しく頭を撫でた。
香菜はそっと寝室から出ると、キッチンに戻り、冷蔵庫を開ける。中には、買ってからしばらく経っている、スパークリングワインが見える。以前に、安いのを見つけて、僚太と一緒に飲みたいと思い久しぶりに買ったが、なかなか開ける事ができないでいた物だ。
(あ~あ、今日も駄目だったか)
と思いつつ、その手前にある缶ビールに手を伸ばす。リビングには、まだついたままのテレビから流れる笑い声だけが流れていた。
/44ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ