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ちょうちょ
第6章 ストーリー4
せっかくBARに行くのだからと、開店までの時間に大人っぽいイヤリングを購入して、店に向かった。
店の中は、先程来たときとは違い、間接照明でオシャレな雰囲気になっていた。
開店直後だからか、まだ人は少なく、カウンターに男性が1人しかいなかった。
由衣はその人にチラリと視線を向け、案内された席、その男性の3席ほど隣に座った。
由衣はそわそわしていた。それは店がオシャレで場違いさを感じているからだけではない。
…あの人、知り合いな気がする…誰だっけ
最近良くある「あの人、見たことあるんだけどな」が始まってしまったのだ。
とりあえず気づかなかった振りをしようと決心して、注文しようとするがメニューがない。
どうしたら良いんだろうと困惑してしまう。
渡し忘れているのかな…
「すみません。メニューがあったら頂きたいのですが」
普通にメニューを渡して貰えて安心しながら飲み物を選ぶ。予想はしていたが少し高額であったため、琉香の誕生日までにいくらか節約しようと決めた。