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ちょうちょ
第6章 ストーリー4
由衣は注文するときに、バーテンダーさんと少しだけお話して、シェイカーを振ってお酒を作る姿を夢中になってみていた。
飲み物が出される頃には、場に慣れ始めていた。
段々とお酒がまわってきて気持ちが緩み始め、ついつい気になって3席となりを見てしまうと、見事に目が合った。
会釈された。
やっぱり知り合いだ。どうしよう。と内心焦りながら、微笑んで会釈を返す。
目線を逸らしてドリンクに集中している振りをしながら、誰だっけ。誰だっけ。と考える。
思い出せないまま、1杯を飲み終わり、今日は帰ってまた出直そうと会計を済ませて立ち上がった。
店を出ようと男性の横を通りすぎる瞬間
「こんばんは」
と声をかけられた。
「こんばんは。お久しぶりです」
一瞬固まりながら何とか返す。